平成17年10月20日防災対策特別委員会
中野区議会防災対策特別委員会〔平成17年10月20日〕
防災対策特別委員会会議記録
○開会日 平成17年10月20日
○場所 中野区議会第5委員会室
○開会 午前10時04分
○閉会 午後0時07分
○出席委員(14名)
来住 和行委員長
近藤 さえ子副委員長
伊東 しんじ委員
酒井 たくや委員
きたごう 秀文委員
吉原 宏委員
やながわ 妙子委員
小串 まさのり委員
岡本 いさお委員
伊藤 岩男委員
斉藤 金造委員
斉藤 高輝委員
昆 まさ子委員
江田 とおる委員
○欠席委員(0名)
○出席説明員
区長室長 寺部 守芳
総務部長(未収金対策担当参事) 石神 正義
総務担当参事 橋本美文
防災担当課長(危機管理担当課長) 斎木 正雄
区民生活部長 本橋 一夫
子ども家庭部長 田辺 裕子
保健福祉部長 菅野 泰一
保健所長 清水 裕幸
保健予防担当参事(結核予防担当参事) 深澤 啓治
生活衛生担当課長 飯塚 太郎
都市整備部長 石井 正行
教育委員会事務局次長 金野 晃
○事務局職員
書記 杉本 兼太郎
書記 永田 純一
○委員長署名
審査日程
○議題
防災対策について
震災対策について
○所管事項の報告
1 「平成17年8月15日の大雨」に対する区の対応について(防災担当)
2 「平成17年9月4日の大雨」による被害状況について(最終報告)(防災担当)
3 平成17(2005)年度中野区総合防災訓練実施結果について(防災担当)
4 中野区一斉情報伝達・収集システムについて(防災担当)
5 緊急防災情報提供システム(L-window)の運用について(防災担当)
6 その他
(1)平成17年度中野区地域防災計画の修正について(防災担当)
○その他
委員長
それでは、定足数に達しましたので、ただいまから防災対策特別委員会を開会いたします。
(午前10時04分)
本日の審査日程についてお諮りいたします。本日はお手元に配付の審査日程(案)(資料1)のとおり進めたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように進めます。
なお、審査に当たっては、12時を目途に進めてまいりたいと思いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入ります。
防災対策について及び震災対策についてを一括して議題に供します。
所管事項の報告を受けたいと思います。
まず「平成17年8月15日の大雨」に対する区の対応についての報告を求めます。
斎木防災担当課長
それでは、お手元に配付してございます資料に基づきまして御報告いたします。(資料2)
平成17年8月15日の大雨による被害状況と区の対応についてということでございます。
まず気象情報ということですが、17時12分に大雨・洪水・雷注意報が発令されました。21時29分には、注意報から警報に切りかわりました。23時には注意報に切りかわり、23時29分に注意報が解除されたという気象情報でございました。
2番目の降雨状況は、ここは鷺宮の雨量局を示してございます。総雨量としまして126.5ミリ、時間の最大雨量が124.0ミリ、時間帯は20時47分から21時47分の1時間ということでございます。したがいまして、総雨量がこの1時間でほとんど、98%ぐらい降ったということになるかと思います。それからこの間の10分間の最大雨量としましては41ミリ、時間帯が21時5分から21時15分ということでございます。
それから3番目の調節池の貯留量ということでございますが、全体としては18万4,500立方メートルを受けたということでございます。全体の貯留量は59万7,000立方メートルということでございます。その内訳はそこに書いてあるとおりでございます。環七の方の地下調節池に余り入っていないというのは、8月15日はほとんど妙正寺川系の上流で降ったということがございまして、ここの受けが少ないということでございます。
それから4番目の被害状況、これは各地域センターごとに出ていますけれども、全体としましては、床上が86件、床下が114件、小規模事業所が59件の合計259件でございます。
区の対応でございます。15日の21時23分に、警報が発令される前に情報連絡体制をとりました。22時10分に、災害対策本部を設置しまして、第一次非常配備体制をとりました。それから次の16日には、朝8時30分から第二次非常配備体制で動員をかけるようにということで、このような第二次非常配備体制をとりました。ある程度、業務が済みましたので、その日の5時20分には第一次非常配備体制に縮小をいたしました。次の日、17時15分に災害対策本部を廃止したところでございます。
それから土のう及び排水対応は、土のうが5件、130袋を搬送しました。排水は15件を対応しました。
ごみ処理件数は、処理済みが74件、消毒対応件数が206件、以上でございます。
委員長
ただいまの報告に対しての御質疑ございませんか。
伊東委員
8月15日、時間を追って報告いただいたんですけれども、要するに妙正寺川があふれ始めた時間というのはわからないでしょうか。それからあふれ始める場所というのは、今回は二度続いておりますので、その辺はどうなのか。雨の状況によっても違うんでしょうけれども、注意報から妙正寺川があふれ始める、あるいは警報との時間差、その辺は掌握されていますでしょうか。
斎木防災担当課長
21時28分に避難勧告を出しましたので、21時30分ぐらいになろうかと思います。
伊東委員
それは、どこからというのはわかりますか。同時に何カ所も出たのかもしれないんですけれども。
斎木防災担当課長
私どもは本部の方で、河川情報システムを見ておりますので、現場にいるわけではないものですから、そのシステムを見て、システムの中には、西原橋の推移が見えますので、あと残り30センチぐらいのところで避難勧告を出しました。そこのところしか把握してございません。
伊東委員
こうした判断ですね。情報を的確に掌握して、またその結果を踏まえて次に備えるということは大切だと思うんですけれども、こうしてみますと、区の対応ということで書いていただいていますけれども、実際に現場、川沿いに人が配置されたのは、何時で、どれくらいの人数が配置されたのでしょうか。
斎木防災担当課長
応急班が集まり次第、派遣したわけですが、まず応急班が一番先に行ったのが、11時55分、野方地域本部で、12時15分に新井地域本部という形で、順次、沼袋、上鷺宮、江古田という形で応急班を派遣したということでございます。
伊東委員
今、御報告いただいた時間ですと、もう大分、水があふれてから時間が経過して、もう事態が発生してしまった後の処理という形で動かれたんだと思うんですけれども、こういうことというのは、やはり雨量のデータ、要するにどれくらい降ったときにどういう状況になるというデータの蓄積、積み重ねがあって、脆弱な部分が見えてくる、あるいはこれぐらいの雨量に対して、警報発令、あるいは注意報発令から、どれぐらいで区民の方に対する対応が必要かというのは、積み重ねで出てくるのではないでしょうか。即座に人を配置して、川の状況を掌握するというのは困難かもしれませんけれども、そのためには、逆に地域の方、川沿いに住まわれる方に、目のかわり、耳のかわりになっていただいて、どういう状況かというのをつぶさに統計的にとれるシステムというのは、今後考えられた方がいいんではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
斎木防災担当課長
今回の大きな反省と教訓の一つに、情報伝達体制がうまく行かなかった。つきましては、この後の報告にもなりますけれども、CTNのテレビ画面に、そうした水位だとか気象情報、それから雨量、そういった情報を流して、いち早く伝えて、早めの対応をしていただこう、こんなふうに補完するような形で考えてございます。また、職員の体制の方も、こうした集中豪雨のときに警報が発令されてからですと、2時間以内にこうした事態が出てきますので、それまでに職員が、夜間ということもあって、集まれないということですので、注意報の段階から集まるように考えているところでございます。
伊東委員
ぜひとも、こういう災いを次に転じて備えとするということで、特にことしは2回被害が出ております。3件とも東京都と連携を密にしていただいて、次に備える、最小限に被害をとどめる努力というのをやはり続けていただけたら、これは要望としてお願いしておきます。
斉藤(金)委員
今の伊東委員のお話を聞きながら、それは大変重要だと思っているんですが、神田川にしても、妙正寺川、江古田川にしても、多分そこで降るより、上流で降った雨量で予測ができるのかと思う。そういう予測はつかめているんでしょうか。妙正寺川なら井草で降ったときに、下流のここのところは危ないかもしれないとか、どうしても吸いきれないかもしれないとか、そういうデータみたいなものはあるんでしょうか。
斎木防災担当課長
データというか、リアルタイムで今どれぐらいの雨が降っているか、妙正寺川ならば上流の下井草でそういった状況がわかります。それから神田川につきましては久我山でわかりますので、私どもとしては、杉並、要するに川の上流の部分は常に把握して見ております。それからあと河川情報システムの中には、都の建設局の水位計も都全体に散らばっています。ただ、小さくて見にくいんですけれども、そこで色の表示があって、どれぐらいの雨量が降っているかというのがわかりますので、そうした上流の状況については、その時点でリアルタイムで把握できるという状況でございます。
斉藤(金)委員
そこまで把握がいろいろとできているんでしたら、やはりもう一歩進んで、ここのところに注意報なら注意報が出る、非常に難しいんだろうと思うけれども、天気は。ここに降りそうだといっても、よそに降ってしまうかもしれないし、そういうのがあるにしても、こと水害なら水害ということで非常に注意を払ってもらって、変な話だけれども、この間の地震でも言ってくれたんだけれども、しばらくたってから言ったって、ぼけてしまっている、言ってもらわないより言ってもらった方がいいんだけれども、そういうおそれがありますというときに、例えば10分前でも、5分前でもいいから、放送なら放送を流してくれれば、いよいよ降って、これは大変危ない水だなとか、片一方の普通の区民の人からすれば、最小限の家具ぐらいは上げておこうとか、いろいろな面で何かの対応ができる、車なら車をどこかに移動しようかとか、全部が全部、降らなくても、そういう災害にならなくてもいいけれども、ある程度のところは、いきなりやれといっても難しいのかもしれませんが、災害が起きそうだというときには、何かの対応を、予報みたいにできれば、より親切なのかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
斎木防災担当課長
今回、注意報の段階で職員体制を構えるようにしました。ついては、今申しました情報伝達の方を早めにということで、地域内広報を充実していきたいと思っています。これまでも、今使っている防災行政無線が、風雨だとか窓を閉め切った状態だとなかなか聞き取りにくいということがありますので、近場で地域内広報を充実するという形で今、構えをとっているところでございます。
斉藤(金)委員
防災行政無線は聞きづらいというけれども、この間も、地震があったときに、何を中野区から言ってくるのか、聞き取れないなら窓を開けて聞くとか、そのぐらいのことは、大概どこのうちでも、聞かなくてはと思うのとただ鳴っているというのでは、全然違うんだと思う。区民の方にも、中野区なら中野区の放送があるというときには、光化学スモッグの注意は年中出しているんだし、健康にいろいろなものがあったり、災害なんかがあったりというとき以外では、ほとんどあれを使わないわけなんだから。もちろん、周知できる別な方法、よりよい方法を考えるにしても、今のままでも利用して、区民の皆さんにも、一番頼りになるといえば頼りになる、今どういう状況なのかといったって、いちいち電話をかけてといっても、これも大変なんだろうから、そういうところは十分に留意してやっていただきたいと思います。
斎木防災担当課長
防災行政無線に加えて地域内広報を充実する、さらに、この後、報告しますCTNのテレビ画面にそういう情報を配信して、より情報伝達体制を確立していきたいと考えてございます。
昆委員
今の地域内広報についてなんですが、これは後の報告にもなることで、お聞きした方がいいのかと思うんですけれども、例えば9月4日の水害のとき等、昨年もそうでしたけれども、川のそばの人たちは、神田川の水かさがずっと上がってきて、警報が鳴りますと、環七の調節池に水を入れたのかということがよく現場で聞かれるんです。いろいろな方が川の水位を見ていますから、昆さん、もう環七の下に水を入れたんでしょうかと何人もから聞かれまして、私も現場で、いつの時点で入れるのか、入れたのか、そのお答えがなかなかできないんですけれども。とにかく環七の調節池に水が入ると水位が一たんぐっと引くんです。川のそばに住んでいる人たちは、それを見て、この後どうなるのかという予測がつくということが一つありまして、地域内広報といったときに、環七の調節池に入れたのかという情報もあわせてできるものなのかどうかということをお聞きしたいんですけれども。
斎木防災担当課長
環七の取水口は、第三建設事務所の職員、都の職員が行って手動で開ける形になっています。そのときには、こちらに連絡していただけるということなんですが、今回の場合は私どもと同様に対応がおくれたんだろうと思っています。ついては、そういうことですので、その情報を今度は事前に河川に職員を張りつけたり、準備をしていますので、そこへ連絡して、環七の取水口を開けたといったことは連絡できるかと、それをあわせて地域内広報なりでという指示はできるかと思っています。
昆委員
ぜひそれが可能ならば、そういう広報も、川のそばの人たちがわかるような形で広報としてやっていただきたいと思うんです。床下、床上という状況が、今回も随分、南中野地域センター、鍋横の方もありましたけれども。川の水位によって内水等の影響もありますから、非常に情報というのは重要な情報になると思うんです。ぜひその点について工夫をしていただきたいと思います。
岡本委員
先ほど報告いただいた要旨の3番目のところなんですが、調節池貯留の18万4,000立米ですが、全体で59万7,000立米とおっしゃったので、私に言わせれば、30%しか貯留できなかったということなんですが、これだけ被害が出ていながら貯留できた量が30%ということ、これはどう考えているのか。しかも、一般の区民の方からいえば、もう満杯になって被害が出たというのであれば、やむを得ないという考え方が多数ですが、わずか30%しか貯留できないにもかかわらず、こういう被害が出た、多分これは上流の方の問題だろうとは思うんですが、その辺はどんなふうに分析されていますか。
斎木防災担当課長
8月15日は、全く神田川の方はほとんど雨が降っていない、普通の雨の状態だったということでございます。したがいまして、環七の地下の調節池が24万トン、全体で取れるんですけれども、そこに3万5,000トンしか入っていない、こういうことでパーセント自体は下がってございます。それからそれ以外のところがなぜ少ないのかということですが、この調節池というのは、川が増水することによって、増水を受ける調節池を手動で開けて、自動的に上下させてということではなくて、口を開けておいて、そこへ入っていくという状況ですので、今回の雨というのは、大体40分ぐらいで100ミリぐらい降っていますので、分析するに、入るいとまもなく上を飛び越えていったという状況でございます。川の真ん中に口を開けて受けていれば、全部入りますけれども、脇に開いているわけです。距離が長ければ、たくさん水を受けられるんですけれども、それほど長くないということになると、入ることは入るんですけれども、上を通り抜けていって、短い時間ですから、受けようと思ったときには、もう水が引いたという状況ではないかと思っています。
岡本委員
そういうことではあろうと思いますが、しかし都市型水害というのは、そういう雨が降ることが想定されたものですから、何かガイドをつくって流すとかということまで考えないと、せっかく費用をかけて調節池をつくったにもかかわらず、機能していないというのは、これから東京都とも検討して、その辺は急激な都市型水害にも対応できるような調節池の取水を考えなければいけないと私は思います。この数字を見ると、だれもが何とかならないかという思いがしますので、しようがないんだというのではなくて、そういう取水のあり方も東京都とぜひとも検討して、効果のある水害対策をしてほしいと思うんですが、どうですか。
石井都市整備部長
確かに、この数字を見ますと、落合調節池、上高田調節池については、容量に比べて飲み込んだ水の量が少ないということもあります。この辺のところ、全体の調節池でピークカットをしていくわけですけれども、せっかくつくった調節池が、この間のような短時間での集中豪雨に対して、これだけの機能しか果たせなかったということになりますので、その辺については、東京都の方へも、この辺のデータの分析とさらに改良が可能であれば、できるようなことを要望してまいりたいと考えております。
委員長
質疑の途中ですが、次の9月4日の被害状況も報告いただいて、あわせて質疑いただくということでいかがでしょうか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
委員長
それでは、2番、「平成17年9月4日の大雨」による被害状況について(最終報告)についての報告を求めます。
斎木防災担当課長
9月4日の大雨による被害状況と区の対応につきましては、前回の防災対策特別委員会、9月5日に、ちょうど水害対応で私が出席できませんでしたが、総務部長の方から概要等を報告させていただきました。したがいまして、きょうは最終的な被害状況ということで御報告させていただきます。(資料3)
地図がございまして、1枚目が妙正寺川系ということでごらんいただきたいと思います。それから2枚目が神田川系ということで、丸いシールを張ったところは、そこの街区に被害があったというところを記してございます。そういうことで分布図ということでごらんいただきたいと思っています。2枚目に各地域センターごとの床上の合計数、床下の合計数、小規模事業所の合計、そういったことを掲載させていただきました。床上の合計が765件、床下の合計が459件、小規模事業所が280件、合計1,504件ということで把握してございます。
なお、ここには弥生と昭和の地域センターが出ていないんですが、ここはゼロということでしたので、省かせていただきました。
委員長
では、引き続き質疑をお受けいたします。
吉原委員
東京都に対する要望関係、調整関係、今いろいろと委員から出ていましたけれども、東京都庁の中に防災センターというのがありますね。私も都庁ができた直後、見せてもらったんですけれども、モニターがあって、状況が入ってきて、都知事か誰かが水害対策本部長か何かに就任して。ああいうものというのは、今回テレビでも具体的に状況が伝えられていないし、目に見えてこない部分があるんですが、きちんと機能していたんですが、2回にわたる水害のとき、それはわかりますか。
斎木防災担当課長
東京都の方には、私どもが被害概況について報告することになっていますので、それを集計している状況で、あそこの防災センターの機能で画面を使って何かをしているというのは、私も今、把握はしてございません。
吉原委員
見学したときに、ここに全部の状況が出て、いろいろと連絡が常にとれて万全ですという話でしていたんです。ですから、ああいうところに全部の情報が入って、各現場に対して、東京都の防災センターから、何らかの通達とか、そういうものはほとんどなかったような感じがするんですが、その辺はどうなんでしょうか。
斎木防災担当課長
東京都は全都の河川の水位状況を把握できるようなシステムになっていますので、それらについては、当然、防災センターで集約して、画面を見ているかと思いますが、その画面によって、私どもに指示とか、そういったことはございません。
吉原委員
本当に不思議な話ですね。もう少しそういうものが機能しているといいますか、情報を集め、中枢施設として何らかの機能を果たしているのかとは思っていたんですが、あれだけの機能があって、都知事が水害本部長に就任していたのかという疑問もあるんですが、そういう状況は知っていますか。
石神総務部長
災害の中で、対応をこれまでもずっとやってきていますのは、震災対応というのは、非常に大きく被害が出るということと区域を越えるということで整備をされてきました。私どもも、水害というよりも、地震対応での訓練だとか体制をずっとやってきたところがあります。そういう意味でいうと、これまでの水害のように注意報が出て、警報が出てから十分に時間があってという状況ではなくなっています。これは、気象条件が変わってきているとか、先ほどから言われているように、今までのデータの蓄積が余り機能しなくなってきているところがあったりしますので、対応自身を変えていかなくてはいけないところがあります。川の状況によって大分異なった形になってきております。神田川の方については、それぞれ遊水池や調節池ができてくるとか、環七の地下河川ができるとか、いろいろな形での対応をしてきておりますが、それも妙正寺川の方になると全然そういう対応ができていない、50ミリ改修もできていない状況になっているわけです。そういう中で、各区で本部をつくって各区が対応するということが割合に水害の場合には多くやられています。それは23区全体が、一遍にそれに対応する体制がないということが一つあろうかと思います。ただ、今回のように、区だけでは対応できない、先ほどから言われていますように、起きたときに被害が最小になるような対応、先ほど伊東委員や昆委員が言われたような形での対応と先ほどから言われている、斉藤委員も言われた話で、起きる前に対策をどう立てるか等々あわせてやっていく部分、そういう部分とあわせながら、それから情報連絡についても、命令系統が警察、消防、実際の被害があったところ、そういう連携だとか、そういったものについて今回は非常に反省をしております。東京都の方の消防の方から伝わってくる話と実際うちの方から伝わる話、住民の方から消防署の方に水を何とかしてほしいとかといった話がうまく伝わらなかったり、そういう系統が機能しなかったということが今回の大きな反省点だろうと思っています。我々自身の対応もこれまでの蓄積ノウハウとは違った形をとらざるを得ないということで、課長が先ほど言いましたように、注意報の段階からも出ていくのが、今回の水害の反省点、これまでは警報ということであったわけですが。そういった点とあわせて、東京都ともう少し情報連絡体制、情報の取り合いというのをやっていきたいと思っています。今回は杉並や新宿、練馬の方とは、うちの本部と向こうの本部と連絡し合って、どういう状況かを聞いたり、そういう形でやっていましたので、東京都がそこに入ってというよりは、そういう形でやってきた。もう少し東京都の役割も話し合いをしてみたいと思っております。
吉原委員
本当に言っている意味はわかります。そういう意味では、もう消防庁なんていうのは東京都ですから、あれだけの防災センターがあって、モニターがあって、皆さん方がしっかりと東京都へ情報を流せば、後は東京都の方で全部一律して消防署の方に指示を出して、そういう通達が一発でできるような形、東京都にしっかりやれと言っておかれた方がいいと思います。あれだけのものがあって、ただ情報は集めて終わりみたいな感じになっていますから、これはもう本当にもったいない話で、東京都の防災センターがたるんでいた、私はそういうふうに思います。それはしっかり向こうへ言っていただくということを要望させていただいて、あと環七の遊水池に関してなんですが、手動だという話なんですけれども、これも今の時代、水位メーターとか、そういうしっかりしたものがあるでしょうから、電子制御か何かでできないのかと思うんですが、その辺はどうなんですか。
石神総務部長
今回、東京都でも予測していないというところがあったと思います。8月15日の段階でも、警報が出て、ほとんど同時に水が出ているんです。今まではこういったことはなかったんです。台風が来たときも、警報が出る、注意報が出るという流れの中で対応ができていたわけですが、今回のような形で、警報が出たと同時にもう水が出てきてしまっている、我々も予測していなかった部分です。だからといって、それが言いわけになるわけではないんですが、そういった対応を、都を含めて、今後も水災害のあり方、これまでの事例では対応ができないということ、それからもう少し地域ごとに違った形での対応にならざるを得ない、腰まで水に浸かってしまうところとそうではないところ、内水氾濫も今まで想定していなかったところが出てしまうとか、もう少しそういう部分を把握して、東京都とどういう連携ができるのか、各区ごとに対応が違ってくる部分が多い部分もありますので、東京都で一元的にやることも、そういう情報でやる必要のある部分と反対に区の方の権限を強化してもらって、消防ともう少し連携がとれたり、警察と連携がとれて体制をとる、このような体制というのは、人がそんなに多いわけではないんです、警察も、消防にしても。そういうところについての対応をどうするかということをもう少し詰めさせていただきたいと思います。
それから河川の調節なんですが、かつても話をして、いつ開けるかという話も、都と三建の方の意見も聞いたことがございますが、雨が長く続いたとき、そのときに開ける時間を間違えると、二度降ったときに入りきれなくなって被害が多くなってしまう、ある程度、吸収ができる部分であれば、河川いっぱいに吸収してもらう能力を発揮させないと、その段階でどんどんと入れてしまうと、次にあふれるときには入りきれないということを想定するんだそうです。そういうことも、どういう形でやるのか、それが経験則でやられている話なのかどうかも含めて、もう少し今の実態にあわせた水門の開け方というものも研究してもらいたいと思うんです。一方的に雨が降ったら開けなさいということになると、今度は許容量を越えてしまって、もう入らなくなってしまうと、今度は全部出てきてしまうということが、我々も反省しなくてはいけないんですが、経験的になかった部分が多かった、そういうことをもう少し我々自身が情報交換をして、こういう2件の事例を生かしながら、もう少し都と柔軟な対応ができるような形を研究させていただきたいと思います。
吉原委員
びっくりしますね。川があふれる、あふれないは、水門を開けるタイミングにかかっている、これは現状なんでしょうけれども、人が水門を開ける開けないを決めるというか、さっき言ったように、電子的な部分で、川の上流に、ここまでいったら第一次警戒とか、水門がこのぐらい開くとか、今は技術的にそれが可能だと思うんです。それが人間の判断で、ここで開けようか、開けまいか、一歩間違えたら氾濫する、うまくいけば氾濫しないで済む、本当に不思議な感じがするんです。そういう技術とか、そういうものを研究しているんだろうとは思うんですけれども、そういう電子制御的な水門の開閉、だったら、もう自動的に寸分の狂いもなく、ここまで来たら大丈夫だとか、それだけで済むんではないとは思うんですけれども、そういうものも研究してもらいたいという部分がありますので、区の方から東京都に、そういう部分も研究してくれという要望を出していただきたいと思います。
昆委員
今のこれまでの体制では対応できないような集中豪雨ということです。それはこれからも可能性としては非常に高い確率で起きるのではないかと思いがしているんです。ですから、例えば人の対応だとか、情報の伝達だとか、いろいろなことは、もちろん大事なことですけれども、基本的に河川の50ミリ改修をどうするのかとか、神田川の方でいいますと、和田弥生幹線が全面的に機能しているわけではありませんね。杉並の方での取水口のところがまだできていなかったりとか、せっかくできているものがある一部のところで機能しないがために、全体に機能しなかったということだって今回は明らかになっているわけですから、そのことを東京都等にどう完成を迫っていくのか、50ミリ改修をいつの時点できちんと進めていくのか、そういうことも非常に重要になってきたと思っているんです。私自身も議員になる前の年に大水害が起こりまして、それから一貫して神田川の水害に取り組んできていますけれども、いろいろな方策で水害対策、調節池だとか、内水対策だとか、いろいろなものを進めてきましたけれども、なおかつ今の時点で予想できないような集中豪雨が起きてきているということを見ますと、やはり河川の改修と今取り組んでいる和田弥生幹線等の機能を、川の改修の方は50ミリ改修をすること、できている和田弥生幹線を全面的に機能できるような、そのことを求めるということがとても大事になってきているんです。これは議会の質問等でも取り上げてきましたけれども、この時点で東京都とそのことで何かお話し合いをし、前向きに進められるようなものというのは、見えてきているんでしょうか。
石井都市整備部長
ただいまの御質問につきましては、10月11日に建設局長に区長から要望書を提出しております。内容は、一つは環七地下調節池の妙正寺川取水施設の早期完成、妙正寺川以北の調節池の事業化、今御指摘の区内全域での50ミリ河川改修の早期実施、妙正寺川上流域にございます都営住宅等の公共用地を活用して、大規模な洪水時の貯留施設を設置するということ、妙正寺川上流域に下水道事業による雨水調節池及び貯留管の整備をするといった内容を要望してきてございます。東京都も以前、神田川については激特事業で整備を行ってきた経緯もあります。現在、東京都が50ミリの早期実施に向けて何とか激特が適用できないかというところを探っている状況にございます。また、都営住宅の公共用地につきましても、そういうことも考え合わせて検討したいという回答でございました。
江田委員
8月に集中豪雨があって、当時、こうした集中的な豪雨というのは、そうたびたびあるものではない、20年に1回、30年に1回という話があって、わずか20日後に、さらにそれを上回る大集中豪雨という事態になって、今までのものの考え方の抜本的な見直しが迫られているという状況になっていると思うんです。こうした集中豪雨が起きる大きな原因として地球温暖化という問題が指摘されていて、これは改善されるどころか、ますますその傾向は進んでいく、新聞等でそうしたことがいろいろなデータで示されております。そういうことを考えますと、こうしたことが今後、あってはならないことだけれども、さらに続くということを前提とした対応をしていかなければならないという状況になっているのではないかと思っております。
それで、今度の議会で各会派からたくさんの要望や意見が出ました。そういうものが行政の側でどう受けとめられて、どういう改善をしようとしておられるのか。それから私どもが気がつかないところで、行政の側で改善しなければならないと考えている問題等もたくさんあろうかと思うんです。一度、そういうものを総括的にまとめる必要があるのではないかと思います。私どもは私どもで気がついたところをいろいろと言っているんですが、それがどう行政の側で受けとめられて、どういう改善をしようとしているのかという問題等も含めまして、今度の二つの水害を受けての行政側が感じている今後の課題とか、教訓とか、中野区内でできること、東京都や国に要求しなければならないこと、そういったことが総括的にまとめられて、それが当委員会に出されて、私たちも事態を正しく認識し、さらに落ちている部分があれば追加していく、そういう作業が今回の場合は必要ではないかと思うんですが、そういう点については、どのようにお考えでしょうか。
石神総務部長
今回、補正でもいろいろな形で対応策を出させていただきましたが、今言われるように、全体として、初動期というか、雨の注意報が出た段階から、どういうふうに情報を伝えて、どういうふうに区民の方に避難だとか対応してもらうのか、それから起きてしまったときの被害を最小限にするための方策、事後の処理ということで、ごみの問題を含めていろいろな形で要望も受けていますので、そういう流れの一環、もう一つ、今言いましたように災害が起きないための、長い年月をかけてやっていかなくてはいけない、その着手点をどうするのかという話について、一度整理させていただきたいと思います。話が全部ぶつ切りに、質問されて答えるという格好になっているものですから、どうしても流れの中で見えないという点については、申しわけないと思っています。早い段階で一つずつ対応してきたつもりでございますので、そういう流れを整理して、一度出させていただきたいと思います。
伊東委員
今回、8月15日のときもそうでしたけれども、現場の方には消防団の方が非常に多く出ていただいて、交通整理等に当たっていただいて、大変ありがたいことだと思うんですけれども、消防団の方というのは、消防署に所属して、活動も当然制約がある。せっかく現場にあれだけの方が張りついているのに、指揮系統が違うということで、結局、10人いれば20の目があるんですから、それによる情報収集ということも考えられた方がいいのか、あるいは組織的に系統が違うのであれば、防災ボランティアみたいな形で区民の方に協力を事前にお願いしておきまして、水害に対してであったならば、水害情報をつぶさに区の方に連絡を入れてもらえないかとか、公助のほかに共助ですとか、そういうシステムをそろそろ検討されてもいいのか、これから2,000人体制を目指す区で何でもできるわけではない、それを区民、住民がある程度補完するということも考えていかなければいけないのではないか、それは痛感するので、その辺はどうなのかということをお聞きしたいのと、もう1点、9月4日の被害を見ていまして、丸山一、二丁目というのは、決して低いところではないと思うんですけれども、こういうところがどういう原因で溢水が起きてしまったのか、それをお聞きしたいんです。
斎木防災担当課長
まず消防団の関係で、当然、消防団との連携は強めて地域内で活動していただきたいと思っています。ただ、お話がありましたとおり、消防団の指揮命令系統が消防署から消防団という形になるわけです。ただ、命令がない間は、消防団の方は、地域の一人の区民として活動するという状況ですけれども、いざ消防がそういう体制をとったときには、そこで指揮命令をされるという状況ですので、そういう中で活動していただかなければいけないのかと思っています。ただ、こちらは、消防署との連携は、そういったときには消防署の職員が本部に詰めるような体制をとっているんです。今回は時間的に間に合わなくて消防署の職員が来られなかった状況ですけれども、そういう状況で消防署の職員が本部に来て、本部の状況を見ながら消防署へ伝達して、消防署から消防団に指揮、伝達するとなっていますので、その辺の連携を、今回は間に合わなかったことを踏まえて、一層それを有効に活用できるような方向で検討したいと考えてございます。
それからもう一つ、丸山、結構ここは低いんです。今回のような集中豪雨で、川があふれていますので、川に入りきれない水が、道路の低いところへ雨水が戻っていくというんですか、低いところへ行ったということで、ここの地区は低いものですから、そこが浸水被害を受けたという状況でございます。これ以外にも、例えば上鷺宮だとか、飛地で河川から遠いところでそういう状況があったというのは、地上に降った雨が河川に流れ込むことなく、下水に流れ込めなくて、低い道路のところへ行って浸水被害を起こしたという状況でございます。
伊東委員
今の御答弁の方で、防災ボランティアということについての御答弁がなかったと思うんですけれども、その辺は今後の区の展開ということもあるんですけれども、方向性について御答弁をいただけたらと思います。
斎木防災担当課長
災害ボランティアについては、今、社会福祉協議会が窓口になっていまして、どういう形にすれば登録が多く受けられるか、その辺のところを今協議してございます。いずれにしましても、災害ボランティアの今回の活動を見ましても、大いに期待にこたえていただいた状況がありますので、今回は29人のボランティアが出たんですけれども、さらに何百人単位という形の災害ボランティアの登録ができるように、今検討を進めているところでございます。
伊東委員
災害ボランティアということになると、そういう認識になってしまうのかもしれないですけれども、私が求めたいのは、河川監視モニターみたいなことを区の方が一定の方にお願いして、水位計を見るよりは、実際の目で見て、現状こんなものだ、そういうデータが、川沿いに何人もお願いしておけば、注意報、警報というのは、あくまでも機械のものです。川に即して、ここがあふれそうだというのがわかるわけですし、現場の目というものをもう少し大切にして、区の方で地域センターにお願いして推薦していただいて、監視していただける人、電話でやりますと錯綜してしまうのかもしれないですけれども、例えばパソコンが使える人だったら、パソコンに打ち込めば自動的に区の方にデータが届くというような、そういうものをこれから考えてもいいんではないかと思うんです。先ほども警報、注意報発令から現場に職員が配置するまでに2時間ぐらいタイムラグがある。ただし、住民の方は、きょうの雲行き、この雨の降り方ではあふれそうだ、それが強みだと思う。逆にそういう人たちの情報の方が早く届けば、サイレンにしても、避難勧告にしても、速やかに出せるのではないか。自分たちの身を守ることですから、区民としても、お願いすれば、それも年に一度あるかないかということなんですから、無償で引き受けてくれるのではないか、そういう意味で言っているので、起きてしまってからではなくて、起きる前の未然に防ぐためのボランティアというのを考えたらどうかと思ってお尋ねしているんです。
石神総務部長
かつて、こういう機器を配置していないときには、近隣に住んでいる職員に河川情報を伝えてもらうということをやったことがあります。河川の増水というのは、非常に勢いよく増水しますので、十分に検討をして、どういう形でやってもらうのかということを含めて、今回、機器の配置をもう少し多くしたり、見える場所を多くしたりなんかしたんですが、簡単に見てくださいとはなかなかいかない場面もあります。危険なんです。あふれる前の警戒水位に行きますか、どうですかというときはいいんですが、場所によっては、こっちは出ていないけれども、橋桁から出てしまうとか、出たときには、すごい勢いで危ないとか、いろいろな形でありますので、ただ、そうは言っても、情報をどういうふうにとるのかという中では、今言われるようなことを含めて、一番効率的な方法、機械に頼っていて、機械がこの間のように鳴らなくなってしまうとか、そうなってしまうと大変なことになってしまいますので、職員の配置も48名は河川にずっと注意報の段階で張りつくという形にはしたんですが、なおかつそれを穴埋めする形で、職員をフォローしてもらうような形で、そういったことを含めて少し関係部と相談させていただいて、より早く皆さんに情報を伝えるようなことを検討させていただきたいと思います。
伊東委員
確かに意見はわかります。ただ、川沿いに住んでいらっしゃる方で、洪水を経験されている方は、雨の降りぐあいで、必ず川のそばに、土砂降りでも傘を差して見にいって、この様子だときょうはあふれてしまうぞ、あふれないぞ、必ず見に行っているんです。私もひどい雨だと思うと事前にあふれる前に行きます。そうしますと、川沿いの方はみんな表に出て、どうだろう、どうだろうと情報交換をしているんです。だから、そういう現実も踏まえて、共助という形で対策を講じられた方がいいんではないかと思います。
石神総務部長
十分に検討させていただきたいと思います。
斉藤(金)委員
二つあるんですけれども、先ほど江田委員がおっしゃったように、またいろいろな総括をしていただくというのは、非常にありがたいし、またやらなければならないと思いますけれども、いろいろと聞いていて、区の方の対応はわかるんですけれども、消防の方の反省点はないのか。ちっとも聞こえないんだけれども、あなたたちより、向こうがやらなければならないところがいっぱいある。しかし、そういう反省点がちっとも聞こえないんだけれども、他にも言いたいことは山ほどあるんだけれども、ちんぷんかんぷんなことをしている。水がこっちに出てしまっているのに、まだ命令が来ないだとか、どこかの護岸が崩れてしまって、こっちは1メートル以上も水が出ているのに、こっちのことを放っておいてよそのことを心配しているなんて、そんな消防がどこにあるんだって本当は言いたいぐらいなんです。それで何の反省も聞こえてこないというのは、何のために消防があるんだとなってしまいますから、少し強く言わないとだめですよ。本当にちんぷんかんぷんなことをしているんだから。そういう反省点がちっとも聞こえないんだけれども、どういうわけなんですか。
斎木防災担当課長
まだこの件について、消防と本格的な反省というか、そういった協議をしていませんので、ただ、今回、地域の説明会を11月の上旬ぐらいに予定してございます。そういった中で、地域の皆さんから聞いた意見をまとめながら、消防と1回、反省をしたいと考えてございます。
斉藤(金)委員
もちろん、そうなんです。うちの方の例でいうと、一番早かったのは警察なんです。道路をとめてくれて、多少なりしたけれども、それ以上のことはなかなかできない。危機管理という面でいつも言っているんだけれども、本当に大きい災害が起きたときには、消防なり消防団なり、区役所が一番身近にいて、その連絡をとったり、危機管理なら危機管理の体制を本当に考えないと、正直な話、区民の方からいえば、警察に聞いても、消防に聞いても、区役所に聞いても、同じ情報でなかったらおかしいんですよ。それはこっちへ行って聞いてください、これはこっちと、そういう問題ではないんだと思う。急にはできないけれども、もう大体災害が起きたときには、同じ認識に最低限立ってもらうとか、命令なら命令は同じところから来ているから、こうなんです、対応はこうしているんですということがわからないと、得意不得意はあるにしても、今はこういう状況で、こういうふうにしていますというのは、最低限、区民の方からすれば、警察にはこれを聞こう、消防にはこれを聞こう、区役所にはこれをやってくれというわけにはいかないんだと思う。だから、そういうところは本当にきつく言っておいてもらいたいし、また区の方の認識をそのように持ってもらいたいと思います。
それと、地図を見て、江古田川にしても、妙正寺川にしても、被害が集中しているのは川のところです。都市計画の方で、この地区なら地区の地区計画をどうかけようかというところは、どこまで進んでいるんでしょうか。
石井都市整備部長
御指摘をいただいて、今まさに検討を始めたというところでございます。
斉藤(金)委員
前向きにですか。ありがとうございます。
小串委員
今、斉藤委員の方から指摘があったことに関連してなんですけれども、私ときたごう委員が消防団員で、本当は反論をしたいんですけれども、消防署の対応が今回は余り適切ではなかったというのは、率直にいって消防団も含めて反省しなければいけないという部分をかなり感じてはいるんです。それで、当区で行われている水防訓練なんかは、むしろ消防主体でやられていますね。だけれども、今回の実際の被害のときには、割と区主導という印象を受けるんですけれども、水防訓練のあり方を含めて、全体としての水害というものに対する想定を、今回広い意味で検討しなければいけない部分というのはないですか。
斎木防災担当課長
区がすぐに災害対策本部を設置したという状況になりましたので、区長が本部長になるということでございますので、そこの組織に入るということになります。したがいまして、今回、水があふれる少し前に災害対策本部を設置して、そういった状況になりましたので、区が主体といいますか、そういう形の組織形態になって動いたということでございます。
小串委員
今回の実態を聞いているのではなくして、要するに消防の動きが鈍かったのではないかという指摘です。私もそう感じているんです。それで、今まで行ってきた水防訓練がありますね。割と出動する人数だとか、やっていること、訓練の中で、消防署の職員と消防団員で、恐らく数からいくと7割から8割方、そちらの数の方が多いのではないかと思っているんです。しかし、実際に区主導ということになれば、7割方の人員が機能していない、訓練というものが、こういうことを想定した訓練であるとするならば、今までやってきた訓練が十分に生きていないのではないかという気がするわけです。だから、その観点からの反省点はないんですかということです。
斎木防災担当課長
先ほど申し上げましたとおり、消防との今回についての反省がまだできていない状況です。さまざまなそういった問題をいろいろと聞いてございます。それらを踏まえて、水防のあり方を再度確認するなりして、有効な水防対策にしていきたいと考えてございます。
小串委員
そういうことなんでしょうけれども、消防署の職員の今回の出動の延べ人数とか、区の方は当然御存じなんだと思うんですけれども、それを答弁できますか、それぞれ8月と9月で。
斎木防災担当課長
体制は消防の方から連絡等がありまして承知しているんですが、人数までの把握は正式にはしてございません。(「区の方は」と呼ぶ者あり)区の方は、9月4日が第一次で159名、第二次で516名ということでございます。消防の方は把握してございません。それから8月は第一次が60名、第二次で251名です。
小串委員
消防署の出動人員すら把握していないという状況がまともな状況と言えるかどうかというふうに思いませんか。
では、もう1点、お聞きしますけれども、たしか6月だったと思いますが、水防訓練に参加をした消防、区の職員、消防団員の人数を教えていただけますか。
斎木防災担当課長
消防署と消防団員の数は、こちらの方で把握してございません。
小串委員
そんなことも把握していないような訓練だったんですか。では、あの訓練の主体はどこなんですか。区なんですか、消防なんですか、だれがやっているんですか。
斎木防災担当課長
消防署が主催してございます。
小串委員
今までうちの区の水防訓練というのは、消防署が主体でやってきたものが、実際に本番ということになると区が主導に変わってしまうということであれば、全然今までの訓練が生きていないということではないですか。何のために訓練をやっているということになりませんか。全然この件について反省もなければ、しかもいまだに消防と何の意見交換もしていないというのは、一体どういうことなんですか。ちょっと僕はあきれてしまうんですけれども、のんびりとしていますけれども、アメリカの方では、また第5号のすごいハリケーンが来るというではないですか。うちだって、一つ来て、二つ来て、どうなるかわからないのに、そういう一つひとつの反省も何もなくて、のんべんだらりとのんびりとやっているような印象を受けざるを得ないんです。私も消防団員ですから反省すべきところはものすごくあるとは率直に思うんです。だから、そういうことをきちんと整理してやってもらわないと、今後の例えば水防訓練のあり方なんかも、当然見直さなければならないのではないですか。消防主体で水防、こういう川が氾濫したことを想定した訓練をやり、そういう訓練ですから、実際にもそういう動きがあるという想定があるにもかかわらず、それが全く機能していないということは、今までのやり方がすべて間違っていたということではありませんか。しかも、人員も答弁できない、全く何もわかっていないところが主体になってやるというのは、土台おかしいではないですか。消防に聞けばわかるんですか、消防に、区の職員の参加人員というのは。ちょっとめちゃくちゃな話ではありませんか。大いに反省してもらいたいと思います。
石神総務部長
訓練のあり方については、反省しなくてはいけない点が多々あろうかと思います。防災訓練と一言にいっても、総合防災訓練の場合には、地震を対象にした訓練であったり、操法大会という形で技術を高めるためにやってもらう訓練であったり、それぞれやっているわけですが、実際の場面に即した形での訓練、こういったことについては、余り区民の方を入れずにやった経緯があります。区の中でも、防災無線を持って、実際に行って、想定した部分でお互いの連携をとる訓練であるとか、そういうことをやっております。また、図上訓練という形での判断訓練をしたり、やっているわけですが、それが必ずしも生きていたとは言い切れない部分もありますので、こういったことを整理してやっていきたいと思います。また、それぞれの機関がそれぞれの職員を対象にしてやっているだけの形ではいけないと思っております。連携した訓練、こういったことも必要ではないか。これまで役割分担ということでやっていた部分を、さらに現実に即した形での役割も、少し話し合いをしてみたいと思っております。
また、今回の件について言いますと、なかなか話し合いができないということでございましたが、これは言いわけになってしまいますが、我々も補正予算を組む、そういったために、いろいろな形で各ところがそれに対応する、議会中だったということが、簡単には向こうと日程調整がつかなかったという点がありますので、先ほど課長が答えたように、地域の方と4回ほど話し合いをしますので、その結果を踏まえた上で、早い時期に、こういった結果について、またやり方について、この委員会にも報告させていただきたいと思っております。対応がおくれている点については、これは言いわけのしようもなく申しわけないと思っておりますが、今後の対応については、早急に見直しをして、今言われたようなさまざまな視点についてよく検討して、それに対応できるような形をつくっていきたいと思っております。また、早い時期に報告させていただければと思います。よろしくお願いいたします。
委員長
それでは、1番と2番の報告についての質疑を終了させていただきます。
斎木防災担当課長
前回、9月5日の当委員会で岡本委員から質問のございました電話の回線の件でございます。夜間の防災センターにつながる回線というのが直通の電話1回線でございます。ただし、今回、注意報の段階から職員の体制がとれるということでございますので、回線を5回線まで拡大したいと考えてございます。
委員長
よろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
委員長
それでは、3番、平成17(2005)年度中野区総合防災訓練実施結果についての報告を求めます。
斎木防災担当課長
それでは、総合防災訓練の実施結果について御報告させていただきます。(資料4)
まず目的でございます。これは地域防災計画で、中野区の地域に災害が起きた、それを最小限にするためには、区民、区、防災関係機関が一体となって低減しようというものでございます。そのために総合防災訓練を年1回、実行委員会形式で行うということで、これまでずっとやってきたところでございます。
それから実施日時は、9月1日がちょうど全国的に防災の日ということでございます。したがいまして、そのときには防災に関心が高いということもございまして、9月1日を中心とした日曜日の午前中に実施しているところでございまして、今年度については8月28日に実施いたしました。
それから実施地域でございます。南北一つずつの地域センター管内を対象にローテーションで実施しているところでございます。ことしにつきましては、鍋横地域、大和地域ということで実施させていただきました。それぞれ主会場として、鍋横の方は中野本郷小学校、大和地域の方は啓明小学校で実施いたしました。
それから4番の訓練想定でございます。当日9時に23区に震度6強の直下型地震が発生して、建物の倒壊や道路等の被害のほか、交通、通信、電気、ガス、水道等、いわゆるライフラインの施設で相当被害を受けて、同時多発に火災が発生し、混乱が生じているという訓練想定の中で実施したものでございます。
内容としましては、そうした訓練想定に対応できるための発災対応型訓練ということで、内容につきましては、そこに書いてある初期消火訓練から始まりまして、けが人が出たときの応急救護訓練、そこに消防署、消防団が駆けつけたという想定で救出・救助訓練、そこでは火が回ってきて避難しなければいけないということで、住民の避難誘導訓練ということになります。それから2番目としましては、避難をして避難所に着いた、そこでは避難所を開設して運営をしなければいけないということで、ここに避難所運営訓練を実施いたしました。
それとは別途で、そうした状況が起きたときに、防災関係機関がどうした行動、活動ができるのかということで、関係機関の訓練等をお示ししているところでございます。これも、そうした災害時に防災関係機関が実際にこういう活動をして、こういう行動をして、いろいろな物資の供給だとか、水の給水だとか、そういったことをやることによって、区民の方に安心をしていただく、こういうことを見せてもらっています。
それからあわせて、会場では、やはり時間、時間の合間がございます。炊き出しをして食事の時間みたいなものもございますので、そこで有効に時間を過ごしていただこうということで、展示ということで、それぞれの機関からさまざまな展示物を紹介していただいているところでございます。
それから6番目の訓練参加者数は、全体としては1,339名、地域防災住民組織としては、それぞれそこに書いてあるとおりでございます。また、関係機関の人数もそこに書いてあるとおりでございます。ごらんいただきたいと思います。
以上で報告を終了いたします。
委員長
ただいまの報告に対しての御質疑ございませんか。
伊東委員
こうした訓練がただの訓練で終わってしまわないことを願うわけですけれども、17年度の第1回定例会の総括でも私は質問させていただいたんですけれども、区の職員の参集訓練について、いつ実施されたのかということをお尋ねして、今後の予定についてお伺いしたんですけれども、それについては、現時点でどういう状況ですか。
斎木防災担当課長
今、まだ確定ではないんですが、12月の中旬に予定しているところでございます。内容としましては、職員につきましては、12月中、それぞれ仕事の調整をつけながら、それぞれの分野でやっていきたいと思います。それから管理職については、参集した後に図上訓練をやっていただきたいと思っていますので、その日については12月の中旬を予定しているところでございます。
伊東委員
教育委員会にお尋ねしたいんですけれども、いざとなったときに、中学生ぐらいになると、地元にいつもいる。中学の2年、3年になってくると、体格的にも割としっかりしてきて、ある程度、地域の一員として、いざというときの戦力になるかと思います。まして、軽可搬ポンプの操法大会などには、十一中ですとか、中学生も参加しているという現状もあるんですけれども、教育の現場において、公立の中学校において、こうした防災訓練は行われたことはありますでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
各学校においては、学校ごとの避難訓練ですとか、そういうことはしておりますが、地域の防災活動への生徒の参加ということは、私の知る限り、学校として取り組むというよりは、その地域の生徒たちが参加しているという形で、個々に協力しているという形でしかされていないと思っております。
伊東委員
大災害が起こったときに、学校を管理する立場としては、子どもたちに、こうしろとは、なかなか言いづらいのも現実かもしれませんけれども、安全な建物の中に子どもたちを囲い込んでしまって、逆に周辺地域では大惨事になっている。それに対して、例えば荷物を運ぶですとか、別に町中の建物が倒壊しているところ、火が燃え盛っているところに行けとは言いません。ただ、学校の中でできる、例えばトイレの組み立てですとか、間仕切りの設置訓練とかというのは、逆に訓練としてやっていただいてもいいんではないでしょうか。それは学校にお願いするのではなくて、学校を通じて、防災担当の方で訓練をしていただくという形が一番いいんだと思います。教育者は教育者の持ち分があるんですから。ただし、普段、学校の授業があるときに災害が起きたならば、それを統括して行動させるのは教育者だと思うんですけれども、そういうことも踏まえて御答弁いただきたいんです。
金野教育委員会事務局次長
震災時には、各学校の対応としては、まず生徒の安全確保、それから避難所としての施設の提供ということを基本に今は対応することになっております。ただ、地域の中で現実に動ける人手がいない、特に高齢化が進んでいるということから、ほかの区でも、中学生がどう参加できるかということで、いろいろな試みをされていると、ときどき新聞などでも報道されているようなことについては承知しております。委員御指摘のところの中学生が積極的に自分たちの安全確保以外に何ができるかというところにつきましては、まだ十分に議論が始まっていないところであると思いますので、これから防災担当とも協議して、どんなふうに考えていくべきか、また役割を果たし得るのかという検討をしていきいたと思います。
伊東委員
先ほど総務部長の方からお話がありまして、ぶつ切りではなくトータルな目で対策を講じていかなければというお話でした、まさしくそのとおりだと思います。ですから、これからは、特に学校は総合学習ですとか、紙の上の知識だけではなくて、知恵、実際に生きるための力を培うという意味からすると、そういうことも大切なのか、やはり地域の一員なんだ、きみたちも、そういう意識を持つ意味では非常にいいことだと思うんです。ぜひとも前向きに検討していただけたらと思います。
斉藤(金)委員
要望というより、もうかなり進んでいるんです。うちの方の七中なんかは、きちんと町連の会に来て、防災訓練があるときに参加させてくださいと来ているんです。各学校は、もうそのぐらいのことをやっているのは当たり前のことで、実際に災害が起きれば、ずっと学校にいられるわけはないし、地域に帰っていって、そこのおじさん、おばさん、みんな知っていて、命令系統がどうなって、警察、消防が一緒になって、どうやってやる、救護の方はどうする、当たり前のことなんです。それを学校は学校とかと余り考えないで、実際に危機管理の中の一環できちんと考えおかなかったら、おくれているだけのことであって、これからやりますとかなんとかではない、もう始まっているんです。実際に起きれば何かをしなければならないんですから。学校は学校だけで生徒を集めておくんですか、そうではないのでしょう。
金野教育委員会事務局次長
地域の防災訓練への参加ということでは、いろいろな形でやられているところで、例えば放水の訓練などに小・中学生が参加しているとか、総合防災訓練のときにも、子どもたちが来てさまざまな活動を見学したりということは、積極的にしているということは承知しております。ただ、学校ごとに何ができるかということについては、学校が生徒の役割について震災のときにどういう形で臨むかということについて、生徒が個々に活動するという以上の議論はまだ十分にされていないと承知しておりますので、今度はそちらも含めてやっていきたいと思います。
斉藤(金)委員
訓練は実際のための訓練なんですよ。だから、実際になれば、どこどこ学校の子はどこどこの地域に行って、その前にどこどこのうちに帰って、その地域の決まりに従ってやるのではないんですか、生徒が勝手に動くのではないのが当たり前のことではないんですか。学校の方が何かして、その学校の生徒を動かすとか、そういうことではなく、もう実際になれば、どこで震災があっても。だから、本当に訓練とか何とかではなくて、実際に即して、この地域には、こういう防災の決まりがあるんです、学校からは、こういうことを言われて、地域へ帰りなさい、後は命令系統がしっかりしていて、役所の方から、こういう避難をしなさい、何をしなさいということになるのではないですか。生徒だけ別ということはないのではないですか、小学生だって、中学生だって。だから、そういう認識をまず覚えるのと、組織がどうなっているのか、物を動かすとか、どうなっているという前に、地域の人とどうなんですとか、このおじさんが来れば、何をやっているんだとか、そういうものがわかるのが第一歩なのではないですか。それが実際に即して、そこに根っこがあるから、学校と地域とが、そういうところで考えたり話したりすることができるのではないですか。だから、そういう視点に立って持っていかないと、要は地域の被害が最小で、被害者がいなくて、規律がとれていてということにならないのではないのか。だから、そういうことをもう少し突っ込んでいくことが、大事な教育だと思います。社会人になったって通用するんだと思います、そういうことは。また、社会人になったとき、その子が次の担い手の防災の方の助けになってくれるということが一番重要なんだと思うけれども、そういうところは全然考えていなかったのか、考えているけれども、及ばなかったとか、もうそういう問題ではないのではないかと思うので、よく検討してください。
金野教育委員会事務局次長
地域の役員としてさまざまな役割を担うということについては、教育上、大変重要なことで、防災も当然含まれていると思いますので、それをしっかりやっていきたいと思います。
酒井委員
災害時の初期初動によって被害を最小限に抑えることができると私は思うんですけれども、そこで区民の方、区、防災機関が一体となって、こういった想定訓練をされる、非常にすばらしいことだとは思うんですけれども、例えばそういった災害があったときに、行政が瞬時に対応する必要があると思うんですけれども、先ほど参集訓練の話も出ましたけれども、以前と比べまして、地球温暖化でさまざまな災害が起こり得る可能性があるわけです。そういったことで、どのような職員の方が今までこういった災害等々を想定されて訓練されているのか。それから、もしくは今後こんなこともやっていかなければいけないのかというのがあれば、教えていただきたいんです。
斎木防災担当課長
訓練につきましては、総合防災訓練でも職員が役割に応じて参加してございます。これ以外に風水害訓練、この12月にやろうと予定しています参集訓練、2月に予定しています図上訓練、11月20日には災害要請訓練ということで、大きな五つの訓練に役割に応じた職員を出動させて従事させているという状況でございます。
酒井委員
例えば、私は思うんですけれども、個別の小さな訓練なんかでも、頭の中で描いたりだとか、こういうときはこう動こうだとか、さまざまな状態がありますので、初期初動の必要性というのもありますので、そういった非常に大きな、そうではなくても、小さな訓練なんかも各々で個別でできると思います。そういったことも考えていただきたいのと、例えばどこかで天然痘の生物テロを想定した対策訓練なんかもありました。以前、中野でしたら、SARS関係でも、そういったことをされていらっしゃったと思うので、さまざまなこと、起こり得る可能性は多々あると思いますので、こういったことを想定しながら柔軟に、今後もこういった想定訓練というのは必要だと思いますので、ぜひともいろいろと検討していただきたいと思います。
石神総務部長
訓練だけではなくて、職員のスキルアップを図るということで、救急救命の資格を持ってもらう、区民の方に職員がどういう能力を持つかということで信頼を得るということで、全職員を対象にやるということで、2,800人を一遍にできませんので、年次を分けて、全3年ほどで全職員が資格を得るということで、今やっているところでございます。そういった実際の訓練とあわせて、職員のスキルアップも含めてやっていくということで考えております。
委員長
よろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
委員長
それでは、本件報告を終了いたします。
次に、4番、中野区一斉情報伝達・収集システムについての報告を求めます。
斎木防災担当課長
お手元に配布の資料をごらんください。(資料5)
これも既に、携帯電話のメール機能を活用したシステムを運用して、防災情報を配信するという内容のものでございます。配信対象枠としましては、500名枠で始めさせていただいたということで、中野区医師会、歯科医師会、獣医師会、接骨師会を含めた4師会ということになります。それから消防団、議員の皆さん、防災住民組織、区職員、区職員は区の管理職全員と防災担当職員全員ということでございます。今回、注意報の段階で職員を呼ぶということになりましたので、対象職員にもここに加わってもらっているという状況でございます。
それから配信基準はどうなのかということですが、まず気象情報としましては、気象警報、これは東京23区西部に警報が発令されたときに、自動的に配信されるという内容です。それから台風、暴風域が東京都に24時間以内に接近する可能性が高い場合に、24時間前と12時間前の台風情報、いずれにしましても、気象情報につきましては、東京23区西部地方という限定になってございます。
それから次が受信でございます。東京都内の震度3以上の地震のときに自動的に送信されます。東京都内の震度3というのは、例えば隣の県の千葉県、埼玉県、神奈川県、こういうところでは、場合によっては震度5だとか、震度6、そういうこともあり得るということで、震度3ということで設定させていただきました。
それから2番目は、震度5弱以上、このときには自動的に区も災害対策本部を設置するという状況です。震度5弱のときには、場合によっては落下物によるけが人も出てくるという想定をしていますので、そのときには、震度情報の提供だけでなく、安否確認メールもこの段階で配信する、ここが今回のシステムの特長でございます。
それから3番目が火山情報ということで、関東地域、浅間山、富士山、こういった山は危険性も言われていますので、その際の緊急火山情報、または臨時火山情報、こういった発表がされたときには、自動的に情報が提供されるという内容でございます。
それから4番目の緊急情報は、東京23区以外ということですけれども、全国で大災害、大規模事故等が発生したとき、例えば今回も台風で九州の方で大雨になりました、ああいう大災害のときには、東京23区に直接かかわりはないんですが、そういったときの情報も配信されるということでございます。
以上、こうした情報が配信されていないときには、毎月、末日にテストを兼ねて当日の天気予報を配信する予定でございます。
それから先ほど言いました安否確認メールのところで、6、7がかかわってくるわけですけれども、6、7については、震度5以上のときに安否確認メールを配信して、今どういう状況かということをそれぞれ三つの枠に区切ってクリックしてもらって、本部の方でその情報が集約できるという中身でございます。職員に対しては、それをもとに非常配備体制に応じた職員の動員指令ができるということ、医療機関については、負傷者対応状況も把握して、応援、支援の医師会への連絡、こういったことができるシステムでございます。
運用開始日は、既に7月25日から、先ほど申しましたグループのうち、順次、登録手続をしていただいた方から配信しているという状況でございます。
それから配信手続につきましては、個人情報保護の問題がありますので、まず登録同意書を防災担当へ提出していただきます。提出された登録同意書によって本人あてに登録用のメールアドレスを通知いたします。そのメールアドレスへ自分の携帯電話でメールを発信していただく。それが区役所のパソコンに入りまして、それを委託業者のサーバへ私どもが入力する、これで手続が完了しまして、先ほど申し上げました配信基準の状況になったときには、自動的に配信されるという内容でございます。
それから6番目の負担金ですが、メール受・発信に伴う負担金が生じることで、これを公金として切り分けるというわけにいきませんので、1回につき約1円ぐらいの負担が生じるということで、これを踏まえて登録同意をいただいているという内容でございます。
委員長
ただいまの報告に対しての御質疑ございますか。
江田委員
これは、委託業者はどこになるんですか。
斎木防災担当課長
株式会社レスキューナウというところでございます。
江田委員
それは全国的にそういう事業をやっている会社なんでしょうか。委託業者の姿は全然見えないものですから、もう少し、どういう会社で、どういったことを中心にやっているところなのか、教えていただけませんか。
斎木防災担当課長
いわゆる情報の会社ということで、全国的にこういった情報の提供でやっていまして、最大の特長といいますのは、24時間対応が可能だというところが他とは違うというところが特長でございます。
江田委員
こういう会社というのはいっぱいあるものなのか、それが一つ。
あと、私も登録しているんですが、最初のころ、宮崎でどういう警報が発令されたとか、どこそこで警報が発令された、九州の情報が二、三回入ってきたりしたことがあったんですが、そこら辺は、どういう情報を伝えるかということでは、ここに書かれてあるようなものに全部整理されてきたのかどうか、そこら辺をあわせてお聞きします。
斎木防災担当課長
全国にどれぐらいの情報会社があるかというのは、把握していませんけれども、この会社しか24時間対応をしていないということは聞いてございます。
それと今の配信なんですけれども、配信につきましては、これが自動的に配信されるシステムですから、それ以外のことはまだ今の段階ではしてございません。
江田委員
最初のころ、東京の情報が欲しいのに、鹿児島の情報とか、そういうところの情報が入ってきまして、何でこんな情報を配信するんだろうと思っていたんですが、そういうところはきちんと整理されて、ここに気象情報を特定されたんですが、そういうものにきちんと整理されたんですねという確認をしております。
斎木防災担当課長
配信基準は整理されています。ただ、多分台風の情報だと思いますが、台風の情報は、24時間以内に東京地方が暴風域に入るといいますと、八丈島等も東京になるんです、したがいまして、今回もそうでしたけれども、内陸のところにはほとんど関係ないんですけれども、東京地方ということでくくっていますので、そういった情報が入ってきたということで、宮崎の方の台風も、高知の台風の時にも入ってきました。
江田委員
ですから、そういう情報は、要するにリアルタイム、私たちにどういう事態が生まれようとしているのか、それに向けて、どういう体制をとらなければいけないのかという情報が欲しいわけです。だから、鹿児島に台風が接近しているという情報というのは、テレビ等で情報というのは出てきますけれども、今すぐの我々がどういうことをしなければならないかという情報とは、ちょっと質が違いますでしょう。だから、当初そういうものが何回か入ってきたけれども、そういうものは、きちんと整理されたんですねという確認をしたいということなんです。まだ整理されていないんですか。
斎木防災担当課長
整理はしていません。今、そういった御意見がありますので、どういう形で整理をして、必要のない情報をカットしたり、プログラムをつくりかえなければいけないということもあろうかと思いますので、その辺を協議したいと思っています。
江田委員
全国情報をいただいても余り意味がないわけで、東京に住んでいる者にどういう事態が生まれようとしているか、もう少し密度の濃いというか、もっと切迫した情報、遠い情報ではなくて、近い情報をぜひ整理できるようにお願いします。
それからもう1点、警戒警報が出ました、そういうのが入ります。解除されましたというのは、どうして入らないんだというのは、ほかの議員からもいろいろと出ているんですが、そういうものというのは考えられないんですか。
斎木防災担当課長
解除は状況でわかるということがあろうかと思います。そんなことで特に解除の情報提供はしてございません。さきほどもお話がありましたとおり、緊急でもない情報が余り頻繁に入るのもどうかということがございまして、解除は取り扱わないことにしたわけでございます。
江田委員
もともとのシステムとしてはそういうふうになっているわけですか。
斎木防災担当課長
そういうことでございます。
江田委員
情報の一斉伝達との関係で関連してお聞きしておきたいんですが、防災行政無線のスピーカーがありますね。地震が発生して、スピーカーで、ただいま震度幾つの地震が発生しましたというのが流れますね。あれは発生から何分後ぐらいに放送しているものなのか、そこら辺はどういうふうになっていますか。
斎木防災担当課長
気象庁が震度を発表します。それにあわせて発表するといったところでございます。
江田委員
大分タイムラグがありますでしょう。4分ぐらい、5分ぐらいとか、相当ありますでしょう。それはどのくらいかわかりますか。
斎木防災担当課長
NHKのテレビでも、震度情報が出るのが今回も2分か3分ぐらいかかったと思いますけれども、その情報のもとですから、それと同じぐらいの時間帯で、それがはっきりしますので、そこで、震度幾つとは言いません、ただいま地震がありましたという防災無線スピーカーで流します。
江田委員
放送の中身というのは自動的にプログラムされているんですか。中身は職員が直接放送しているんですか。
斎木防災担当課長
今、地震計は東京都が設置した地震計を使ってございます。地震計については、自動的に音声が入るようになっていませんので、気象庁から発表された震度がわかり次第、職員が24時間体制でいますので、所定の放送文に沿って、震度4のときにはこういう放送ということで流してございます。
江田委員
要するに、区民の側からすると、地震があって、相当おくれて、4分から5分ぐらいおくれて、ただいま地震が発生しました、その後の放送マニュアルがいろいろとあるんでしょうけれども、タイミングが合わな過ぎるのではないかという意見がありまして、もう既に地震があってテレビ等で全部見て、その後に放送ということですから、放送の中身等も含めまして、もう少し検討していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
斎木防災担当課長
もちろん、情報は迅速に提供しなければいけないということでございます。したがいまして、気象庁による震度が確認され次第、時間差をあけることなく放送するように指導してまいりたいと考えております。
委員長
よろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
委員長
以上で本件報告を終了いたします。
次に、5番、緊急防災情報提供システム(L-window)の運用についての報告を求めます。
斎木防災担当課長
お手元に配布の資料をごらんください。(資料5)
23区西部に大雨・洪水警報が発令されたときに、CTNのテレビ画面に、そのときの雨量、河川の水位状況、桃園川の下水幹線の水位状況、それにあわせてそのときの気象情報、区の災害対策本部の状況、さまざまなものをテロップで流すというシステムでございます。
内容としましては、読み上げますけれども、CTN5チャンネルの上にL-windowという形で今申しました情報をリアルタイムで放映するということでございます。起動要件は、東京23区西部に大雨、または洪水警報が発令されたときに自動起動する、24時間フルタイムで起動可能ということになっています。解除要件につきましては、その警報が解除されたとき、自動解除、これも同様に24時間フルタイムで自動解除が可能だということでございます。
それ以外に手動起動ということで、テロップの部分ですけれども、そこに随時、災害対策本部の情報等をテロップで流せるということでございます。
対象は中野ケーブルテレビの契約者で11万3,200世帯ということになっています。
時期は既に10月1日から運用を開始しているところでございます。
1枚めくっていただきたいと思います。
画面はこのような形で、Lでも反対のLという形になると思いますが、縦系に水位、水位は3段階に分けてございます。通常の水位と警戒の水位、河川の断面図に水がいっぱい入った危険水位、こういった形で、神田川、妙正寺川、江古田川で展開する。縦系のウィンドウには、水位のほかに雨量がこういう形で出てきます。雨量も3段階に分けてございまして、弱い雨、強い雨、激しい雨という形で、傘に雨が降ったマークがつきます。それでそれぞれの雨量局のところの雨量が出るということでございます。激しい雨はほぼ時間50ミリ以上ということでございます。ただ、リアルタイムということでございますので、1時間の雨量ということになると余り適切ではないということですから、10分間雨量で表示するという形になってございます。それから調整中につきましては、何かの都合でそこが見えないというところについては、真っ暗になってしまいますので、調整中ということで、今何か起きたのかということがわかるようにしてございます。
それから裏面を見ていただきたいんですが、テロップのパターンとしましては、自動起動によるパターンですが、A、B、C、Dと分けてございます。Aは通常でございます。Bは警戒・危険区域ということで、河川ごとに、内容は同じですけれども、一つは注意してください、もっと激しくなったときには避難してください、こういう形のテロップで流します。Cは、ここでは解除の情報をテロップで流します。Dは手動で任意のお知らせ文を掲載するということでございますので、ここでさまざまな情報を提供できるかと思ってございます。
委員長
ただいまの報告に対する質疑はございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
以上で本件報告を終了いたします。
それでは、6番、その他で何か報告がございますか。
斎木防災担当課長
平成17年度の中野区地域防災計画の修正につきまして、11月4日の防災会議で調整を図りたいと考えてございます。それにあわせてといいますか、11月7日から11月28日にパブリックコメントを実施します。それらを踏まえて都への協議、そして来年の2月には改めて防災会議で作成するという段取りで行いたいと思っております。また、節目節目で資料の提供ができれば、御報告させていただきたいと思っております。
委員長
ただいまの報告に御質疑ございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
以上で本件報告を終了いたします。
その他で何か御報告ございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上で所管事項の報告を終了いたします。
審査日程、その他に入りますが、各委員から何か御発言ございますか。
江田委員
水害問題、地域説明会をやるという話がありましたね。これはまだ具体化していないんですか。
斎木防災担当課長
日程は決まりました。11月2日が野方地域センター、11月7日が南中野地域センター、11月9日が江古田地域センター、11月10日が大和地域センターでございます。いずれも夜7時からということで設定をしていただきました。
江田委員
区民への周知はどういうふうにするんですか。
斎木防災担当課長
まず10月23日の区報で日程をお知らせいたします。それ以外に、防災担当で防災だよりというのをつくってございます。これは各防災住民組織のところへ、回覧用ということで、それぞれ所定の部数をお配りしているわけですけれども、そこに日程表を入れ込んで、各防災会長には、被害の出ているところにつきましては、そういった日程をお知らせしてもらいたいということと、あわせて説明会のチラシをつくりまして、それをあわせて回覧していただくようにお願いしたところでございます。それと主に被害の出ている地域センター管内の区のお知らせ板にポスターを張っていただくというやり方で周知を図ったところでございます。
伊東委員
委員長にお願いなんですけれども、せっかくこうした防災対策の特別委員会が組織されまして、質疑の中にも、区の防災センター、あるいはそこに設けられます災対本部という話がたびたび出てくるんですけれども、私も議員になりまして2年半ということで、ときどき防災センターを見させていただいているんですけれども、じっくり説明を受けたいと思うんです。できたらば、それが実際に動いているところを、どういうふうに動くのか、例えば地域災対本部、地域センターとの連携だとか、そういうものをどういう実態で動くのかというのは、チャンスがあったらば見てみたいと思うんですけれども、その辺を要望とします。
委員長
後ほどの日程の協議の中で相談させていただきます。
よろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、次回の委員会日程を協議したいと思いますので、委員会を休憩させていただきます。
(午後0時05分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後0時06分)
休憩中に御協議いただきましたとおり、次回の委員会は第4回定例会中に、妙正寺川護岸の復旧状況についての視察を含めて行うこととし、急を要する案件が生じた場合は、正副委員長協議の上、連絡をしたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように決定いたします。
以上で本日予定した日程は終了いたしますが、各委員から何か御発言はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上で本日の防災対策特別委員会を散会いたします。御苦労さまでした。
(午後0時07分)